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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻5号

2009年04月発行

特集 最近のトピックス2009 Clinical Dermatology 2009

3. 新しい検査法と診断法

ウイルス抗体価の読み方

著者: 佐伯秀久1

所属機関: 1東京大学医学部皮膚科

ページ範囲:P.69 - P.72

文献概要

要約 ウイルス抗体価の測定法には補体結合反応(CF),赤血球凝集抑制試験(HI),蛍光抗体法(FA),酵素抗体法(ELISA),中和試験(NT)などがある.ウイルス感染症の血清診断では,原則的に急性期(病初期)と回復期(2~3週後)のペア血清における抗体価を測定して診断する(有意な抗体上昇を確認する).FA,ELISAではIgG,IgMなどの免疫グロブリンクラス別の抗体測定が可能である.IgMは感染後7~10日で抗体価のピークを示し,2~3週で陰性化する.IgGはIgMより遅れて立ち上がり,感染4~6週後に抗体価のピークを迎え,多くの場合,抗体は生涯保持される.IgM抗体の存在は最近の感染を意味し,一時点でも陽性が確認できれば診断が可能である.麻疹,風疹,伝染性紅斑,突発性発疹,伝染性単核球症,単純疱疹,水痘・帯状疱疹,手足口病などのウイルス性発疹症を疑った場合,疾患ごとに目的にあったウイルスおよびその検査法を選択することが必要である.

参考文献

1) 大橋正博, 他:小児科診療66: 251, 2003
2) 小澤 明:標準皮膚科学, 第6版. 医学書院, p435, 2001
3) 日野治子:最新皮膚科学大系, 15巻. 中山書店, p153, 2001
4) 五十嵐敦之:最新皮膚科学大系, 15巻. 中山書店, p138, 2001
5) 浅田秀夫:最新皮膚科学大系, 15巻. 中山書店, p52, 2001
6) 藤山幹子:最新皮膚科学大系, 15巻. 中山書店, p195, 2001
7) 安元慎一郎:最新皮膚科学大系, 15巻. 中山書店, p8, 2001
8) 漆畑 修:最新皮膚科学大系, 15巻. 中山書店, p33, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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