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特集 最近のトピックス2009 Clinical Dermatology 2009
3. 新しい検査法と診断法
文献概要
要約 ウイルス抗体価の測定法には補体結合反応(CF),赤血球凝集抑制試験(HI),蛍光抗体法(FA),酵素抗体法(ELISA),中和試験(NT)などがある.ウイルス感染症の血清診断では,原則的に急性期(病初期)と回復期(2~3週後)のペア血清における抗体価を測定して診断する(有意な抗体上昇を確認する).FA,ELISAではIgG,IgMなどの免疫グロブリンクラス別の抗体測定が可能である.IgMは感染後7~10日で抗体価のピークを示し,2~3週で陰性化する.IgGはIgMより遅れて立ち上がり,感染4~6週後に抗体価のピークを迎え,多くの場合,抗体は生涯保持される.IgM抗体の存在は最近の感染を意味し,一時点でも陽性が確認できれば診断が可能である.麻疹,風疹,伝染性紅斑,突発性発疹,伝染性単核球症,単純疱疹,水痘・帯状疱疹,手足口病などのウイルス性発疹症を疑った場合,疾患ごとに目的にあったウイルスおよびその検査法を選択することが必要である.
参考文献
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