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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻5号

2009年04月発行

特集 最近のトピックス2009 Clinical Dermatology 2009

4. 皮膚疾患治療のポイント

外用剤を薄めて使うとかえって作用が増強することがある

著者: 大谷道輝1

所属機関: 1東京逓信病院薬剤部

ページ範囲:P.101 - P.103

文献概要

要約 皮膚外用剤の吸収を考える場合,皮膚外用剤からの薬物の放出および皮膚外用剤から角層への移行の2つの過程が重要である.皮膚外用剤からの薬物の放出の過程では,基剤に溶けている薬物濃度が高いほど角層中濃度が高まり高い効果が得られるが,基剤により溶解性が異なるため希釈や混合により変化し,効果が高まる場合がある.加熱融解して希釈した場合では,基剤に溶けている主薬濃度が数倍に高まり,効果に影響する可能性がある.皮膚外用剤から角層への移行でも基剤の特性が効果に影響する.一般にクリームは軟膏に比べて吸収性が高いため,クリームと軟膏を希釈・混合すると軟膏中の主薬は透過性が高まり,クリーム中の主薬は低下する.添加物によっても主薬の溶解性や吸収促進性が高まるため,注意が必要である.

参考文献

1) Tsai J: J Food and Drug Anal10: 7, 2002
2) Tsai J, et al: J Pharm Sci93: 207, 2004
3) 大谷道輝:医療薬学29: 1, 2003
4) Wohlrab W: J Appl Cosmetol9: 1, 1991
5) Trottet L, et al: Int J Pharm304: 63, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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