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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻5号

2009年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス2009 Clinical Dermatology 2009 4. 皮膚疾患治療のポイント

市販されているハイドロキノンはどこまで効くか

著者: 渡辺晋一1

所属機関: 1帝京大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.105 - P.108

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要約 ハイドロキノンは皮膚刺激作用があるが,強力な漂白効果があるため,肝斑治療のゴールドスタンダードである.高濃度のものは白斑黒皮症をきたす可能性があるが,低濃度のものは刺激症状も少なく,比較的安全である.わが国では2001年の薬事法改正により化粧品への配合が認可され,現在3社から4%のハイドロキノン含有化粧品が発売されている.ハイドロキノンの外用1~2か月で肝斑の改善が認められるが,外用を中止すると元に戻ることが多い.ただし,肝斑は紫外線を避けるだけでも薄くなるため,冬季にはハイドロキノン外用部と非外用部で差が見られなくなることもある.老人性色素斑は,病変部周囲の皮膚色が多少薄くなるため,有効とはいえないが,ハイドロキノンで皮膚刺激症状を起こした場合は,病変部皮膚が剝がされるため,色調の改善が見られることもある.また,炎症後色素沈着はハイドロキノンの外用により早く軽減させることができる.

参考文献

1) 渡辺晋一:香粧会誌24: 287, 2000
2) 肥田野信:現代皮膚科学大系11, 中山書店, p191, 1982
3) MacKie RM: Rook's Textbook of Dermatology, 7th ed. Blackwell, Massachusetts, 38. 1, 2004
4) 渡辺晋一:皮膚疾患最新の治療2007-2008. 南江堂, p18, 2006
5) 渡辺晋一:2008-2009EBM皮膚疾患の治療. 中外医学社, p191, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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