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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻6号

2009年05月発行

文献概要

症例報告

掌蹠,口腔粘膜に限局して生じた抗ラミニン5型粘膜類天疱瘡の1例

著者: 堀内和一朗1 盛山吉弘1 飯田利博2 大山文悟3 橋本隆3

所属機関: 1総合病院土浦協同病院皮膚科 2金丸医院 3久留米大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.371 - P.374

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要約 72歳,女性.初診の3~4年前より,両手指腹に小水疱が出没を繰り返していた.また,その以前より口腔内のびらんを認めていた.初診後,足趾にも小水疱が出現した.手掌の小水疱の病理組織像では,表皮基底層に裂隙形成を認め,蛍光抗体直接法では基底層にIgG抗体,C3の線状の沈着を認めた.1M食塩水剝離ヒト皮膚の蛍光抗体間接法では,真皮側に反応するIgG抗体を認め,精製ラミニン5を用いた免疫ブロット法では,γ2サブユニットに陽性であり,抗ラミニン5型粘膜類天疱瘡と診断した.病変が口腔粘膜および掌蹠に限局しており,稀な臨床像と考えた.

参考文献

1) 玉置邦彦(編): 最新皮膚科学大系第6巻, 中山書店, p108, 2002
2) Matsushima S, et al: J Dermatol 31: 10, 2004
3) Uchino Y, et al: J Dermatol 31: 228, 2004
4) Dainichi T, et al: Eur J Dermatol 15: 189, 2005
5) Nayer M, Wojnarowska F: J Dermatol Treat 4: 89, 1993
6) Poskitt L, Wojnarowska F: Br J Dermatol 132: 784, 1995
7) Reiche L, et al: Clin Exp Dermatol 23: 254, 1998
8) Poskitt L, Wojnarowska F: Clin Exp Dermatol 20: 258, 1995

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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