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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻6号

2009年05月発行

文献概要

症例報告

リンパ節にサルコイド反応がみられた全身性形質細胞増多症の1例

著者: 細川僚子1 舩越建1 齋藤昌孝1 海老原全1 塚田唯子2 横山健次2 岡本真一郎2 石河晃1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室 2慶應義塾大学医学部血液内科

ページ範囲:P.385 - P.388

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要約 43歳,男性.10年前より体幹部に自覚症状を伴わない皮疹を認めていた.初診時,体幹部に多発散在する爪甲大までの浸潤を触れる紅褐色斑に加えて,腋窩・鼠径リンパ節腫脹がみられた.血液検査ではCRPの高値,ポリクローナルなIgGの増加,IL-6高値を呈し,M蛋白,B-J蛋白は認めなかった.皮膚およびリンパ節に組織学的に形質細胞の密な浸潤がみられたことから,全身性形質細胞増多症と診断した.さらにリンパ節には,非乾酪性肉芽腫が認められ,ぶどう膜炎の既往歴があったことから,サルコイドーシスの合併が疑われた.しかし,他臓器症状がなく,組織学的にも非乾酪性肉芽腫が散在性で数が少なく,周囲リンパ組織との境界が明瞭でないことから,全身性形質細胞増多症に対するサルコイド反応と考えた.

参考文献

1) 渡辺晋一, 他:日皮会誌 93: 1513, 1983
2) Peterson BA, et al: Semin Oncol 20: 636, 1993
3) James DG: Chest 64: 675, 1973
4) 直江史郎, 跡部俊彦:臨床医 7: 91, 1981
5) Gorton G, Linell F: Acta Radiol 47: 381, 1957
6) Symmers WSTC: Am J Pathol 27: 493, 1951
7) 浅野重之:病理と臨床 25: 226, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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