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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻6号

2009年05月発行

文献概要

症例報告

全身性サルコイドーシス患者に生じた刺青サルコイドーシスの1例

著者: 井汲菜摘1 原弘之1 照井正1

所属機関: 1日本大学医学部附属板橋病院皮膚科

ページ範囲:P.389 - P.392

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要約 34歳,男性.約10年前から数回にわたり左上肢全体に黒,緑,黄,赤色の刺青を施した.約4か月前から羞明,眼痛が出現し,眼科にて両側ぶどう膜炎と診断された.ツ反は陰性,血清ACE値軽度上昇,胸部X線で両側肺門リンパ節腫大を認め,Gaシンチ上,左上腕の黒色刺青部に異常集積像あり,当科を紹介された.左上腕の黒色刺青部に落屑のある約2cmの隆起性浸潤局面,左前腕の黒色部と緑色刺青部の一部に軽度浸潤性局面を認める.皮膚病理所見で真皮にリンパ球浸潤を周囲に伴う非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が多発し,その内部と周囲に,黒褐色の色素顆粒とそれを貪食するマクロファージが散在する.全身性サルコイドーシスに伴った刺青サルコイドーシスと診断した.電顕的X線微量分析では特異的な金属は検出されない.金属以外でも色素異物が誘因となりえると考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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