icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻6号

2009年05月発行

文献概要

症例報告

顔面紅色丘疹を主訴とし,サルコイドーシスの診断に67Gaシンチが有用であった1例

著者: 趙玲愛1 谷岡未樹1 是枝哲1 宇谷厚志1 宮地良樹1 半田知宏2 三嶋理晃2 長井苑子34

所属機関: 1京都大学医学部附属病院皮膚科 2京都大学医学部附属病院呼吸器内科 3京都健康管理研究会中央診療所 4京都健康管理研究会臨床研修センター

ページ範囲:P.393 - P.395

文献購入ページに移動
要約 57歳,女性.1年前より顔面に紅色丘疹が多発してきたため,受診した.臨床所見から酒皶,抗酸菌感染症,顔面播種状粟粒性狼瘡,サルコイドーシスなどを鑑別に挙げた.病理組織学的検査で多核巨細胞を伴う非乾酪壊死性類上皮細胞肉芽腫を認めた.胸部単純X線写真やCTでは異常を認めなかったが,67Gaシンチで肺門リンパ節に集積を認め,気管支肺胞洗浄液検査にてリンパ球数上昇とCD4/CD8比の上昇を認めた.これらの結果は,「サルコイドーシスの診断基準と診断の手引き―2006」を満たしており,サルコイドーシスと診断した.皮膚所見からサルコイドーシスが疑われるが,胸部X線像やCTで明らかな異常所見がみられなかった場合に,サルコイドーシスの診断に67Gaシンチは有用であると考えられた.

参考文献

1) サルコイドーシスの診断基準と診断の手引き―2006.日サ会誌 27: 89, 2007
2) 大道光秀: 日本臨牀 52: 1516, 1994
3) 多田 明: 日本臨牀 60: 1753, 2002
4) 由水多津子: 核医学 28: 1157, 1991

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?