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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻6号

2009年05月発行

文献概要

症例報告

鉛筆による刺創部に生じた皮膚石灰沈着症の1例

著者: 樋上敦1 井階幸一1 武本啓2

所属機関: 1杉田玄白記念公立小浜病院皮膚科 2杉田玄白記念公立小浜病院形成外科

ページ範囲:P.397 - P.400

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要約 50歳,女性.9歳時,左中指に鉛筆を突き刺す外傷を負ったが放置していた.特に自覚症状および他覚症状なく経過していた.2年前より同部位に硬結を触れるようになり,来院した.皮下組織内の境界明瞭な硬い黒色の腫瘍状組織を摘出した.病理組織像にて,線維性皮膜に包まれた黒鉛を含む瘢痕組織と,周囲の肉芽腫性変化を伴う好酸性のヒアリン化した組織を認め,両部位の境界部に好塩基性の石灰沈着が島嶼状に散在していた.本症は先行する病変に伴う皮膚石灰沈着症として異栄養性皮膚石灰沈着症の範疇に入るものと考えられ,その発生機序について考察した.

参考文献

1) Walsh JS, Fairley JA: J Am Acad Dermatol 33: 693, 1995
2) Nunley JR: Calcinosis cutis. e-Medicineホームページhttp://www.emedicine.com/derm/TOPIC66.HTM, Last updated: Feb6, 2007
3) Lee HW, et al: J Dermatol 32: 282, 2005
4) Skidmore RA, et al: Cutis 60: 259, 1997
5) Maize J, et al: Lever's Histopathology of the skin, 8th ed, Elder DE, et al(eds), Lippincott, Williams & Wilkins, p379, 1997
6) Terasawa N, et al: Br J Dermatol 141: 774, 1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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