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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻6号

2009年05月発行

文献概要

症例報告

シクロスポリン内服とステロイド局所注射が有効であった木村病の1例

著者: 古松茜1 蔭山晶子1 田中将貴1 堀啓一郎1

所属機関: 1独立行政法人国立病院機構神戸医療センター皮膚科

ページ範囲:P.419 - P.423

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要約 22歳,男性.17歳時より両耳介後部に腫瘤出現,その後,増大縮小を繰り返していた.半年前より急速に増大し始め,精査加療目的にて当科を受診した.初診時,両耳介後部に弾性硬の皮下腫瘤,頸部リンパ節・耳下腺の腫脹,末梢血中好酸球・IgEの著明な増多が認められた.病理組織上,リンパ濾胞様構造,密な好酸球の浸潤を認め,木村病と診断した.シクロスポリン5mg/kg/日(ネオーラル®350mg/日)内服とベタメタゾン酢酸エステル・ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム配合水性懸濁注射液(リンデロン懸濁注®2.5mg/0.5ml)局注併用により,末梢血中好酸球数および血清IgEは低下し,腫瘤は縮小した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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