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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻6号

2009年05月発行

文献概要

症例報告

ステロイド治療に加え,メトトレキサート併用でより効果的であった粘膜病変を伴った多中心性細網組織球症の1例

著者: 菊池里奈子1 佐藤隆亮1 赤坂俊英1 小林仁2

所属機関: 1岩手医科大学皮膚科学教室 2岩手医科大学第3内科学教室

ページ範囲:P.425 - P.428

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要約 64歳,男性.2005年6月頃より両手指PIP関節の腫脹,疼痛,こわばりが出現した.さらに,同年11月頃より手指と手背関節部に圧痛を伴う小結節が多数出現した.皮疹では,真皮内に好酸性,スリガラス様の胞体を有する多核巨細胞を主体とする組織球様細胞が結節状に密に浸潤しており,多中心性細網組織球症と診断した.その後,嗄声が出現し,精査したところ,中咽頭後壁に腫瘍を認めた.病理組織学的に手指の腫瘍と同様の所見であった.当初プレドニン®20mg/日単独で治療したが難治であり,プレドニン®60mg/日へ増量,メトトレキサート7.5mg/週を併用したところ,皮下結節,関節痛ともに改善傾向を示した.

参考文献

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8) Liang GC, Granston AS: Arthritis Rheum 39: 171, 1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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