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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻7号

2009年06月発行

文献概要

症例報告

マムシ草による口唇口内炎の1例

著者: 石川博康1

所属機関: 1山形県立中央病院皮膚科

ページ範囲:P.458 - P.460

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要約 69歳,男性.自宅に観賞用のマムシ草を栽培している.赤く熟した実を口にしたところ,直後から激痛とともに舌~口唇が浮腫性に腫脹し,口腔内に小潰瘍が多発した.炎症はきわめて高度で,数日は水分しか摂取できず,受傷6日目に受診したが,舌~口唇の腫脹は著明で,下口唇には小潰瘍が多数認められた.ステロイド薬内服で軽快したが,受傷10日目でもまだ粘膜症状は残存していた.マムシ草のようなシュウ酸塩含有植物の中毒は決して稀ではなく,特に形や色が派手なマムシ草の実は小児が興味をもちやすいため,保護者と医療関係者は十分な注意が必要である.

参考文献

1) 指田 豊: 皮病診療 29 Suppl: 66, 2007
2) 角田孝彦: 皮病診療 30: 823, 2008
3) 江上三義: 日皮会誌 95: 1016, 1985
4) 植木 勲, 平井伸幸: 小児科 48: 867, 2007
5) 江上三義: 皮膚科診断治療大系Suppl3 , 講談社, p48, 1993
6) McIntire MS, et al: J Toxicol Clin Toxicol 28: 277, 1990

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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