文献詳細
症例報告
文献概要
要約 33歳,女性.向精神薬の多量内服にて意識を消失し,3日間自宅で倒れていた.顔,前胸部,四肢に壊死を伴う潰瘍を認めたため,coma blisterと診断した.大腿の潰瘍は特に深く,MRI上,広範囲にわたり筋層まで壊死しており,全身麻酔下にて筋層までのデブリードマンを要した.Coma blisterは,意識のある患者に生じた単なる褥瘡とは異なり,皮膚および皮下組織の壊死にとどまらず,横紋筋融解症を併発することが多い.Coma blisterを診たときは,横紋筋壊死および横紋筋融解症の合併を念頭において治療すべきである.
参考文献
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