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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻7号

2009年06月発行

文献概要

症例報告

Collagenous fibromaの1例

著者: 米田真理1 矢島智子1 菊池麻衣子1 大畑千佳1

所属機関: 1市立池田病院皮膚科

ページ範囲:P.477 - P.480

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要約 58歳,女性.3年前から左下腿に境界明瞭な皮下腫瘍が生じ,徐々に増大してきた.初診時,左下腿前面に境界明瞭で大きさ1.5cmの皮下腫瘍を認めた.弾性硬で下床との可動性はなかった.MRIにて,左下腿伸側の皮下に筋膜に接して1.1×0.4cmの境界明瞭な結節を認めた.T1,T2強調像ともに低信号を呈し,T1造影で染まらなかった.病理組織像は,境界明瞭で膠原線維を豊富に認め,血管腔は乏しかった.両染性の細胞質を有する星芒状,あるいは紡錘形の線維芽細胞が低い密度で増殖しており,細胞異型は乏しく,核分裂像は認めなかった.免疫組織学的染色では,腫瘍細胞はビメンチン陽性であり,smooth muscle actin,S100,デスミン,EMA,サイトケラチン,CD34は陰性であった.以上の所見から,collagenous fibromaと診断した.切除後再発はない.

参考文献

1) Evans HL: Am J Surg Pathol 19: 1077, 1995
2) Nielsen GP, et al: Mod Pathol 9: 781, 1996
3) Miettinen M, Fetsch JF: Hum Pathol 29: 676, 1998
4) Watanabe H, et al: J Dermatol 35: 93, 2008
5) Stout AP, Lattes R: Tumors of the Soft Tissue, AFIP, Washington, p48, 1967
6) Weiss SW, Goldblum JR: Enzinger and Weiss's Soft Tissue Tumors, 4th ed, Mosby-Harcourt Brace Company, St. Louis, Missouri, p299, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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