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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻7号

2009年06月発行

症例報告

肝酵素値上昇を伴ったマイコプラズマ感染による結節性紅斑

著者: 西薫12 中村哲史1 橋本喜夫1 水元俊裕1 飯塚一2

所属機関: 1旭川厚生病院皮膚科 2旭川医科大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.501 - P.504

文献概要

要約 44歳,女性.38.5℃の発熱,安静により解熱後,2008年6月11日頃より両下肢に痛みを伴う紅斑が出現し,徐々に拡大してきた.初診時両膝から足首にかけて,鶏卵大までの鮮紅色から淡紅色の有痛性紅斑がみられ,一部に紫斑を認めた.初診時発熱はなかったが,血液検査で白血球値,CRP,肝酵素値が上昇していた.皮下脂肪織の葉間結合組織へ組織球,リンパ球,好中球が浸潤していた.マイコプラズマ抗体(PA法:IgM+IgG)が6月17日に160倍,6月20日に640倍,マイコプラズマ迅速検査(EIA法:IgM)陽性であった.以上の臨床像,臨床経過,検査結果より,マイコプラズマ感染症による結節性紅斑と診断した.クラリスロマイシン400mg内服により,1週間ほどで皮疹は改善し,肝酵素も正常化した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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