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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻7号

2009年06月発行

文献概要

症例報告

G群溶連菌によるstreptococcal toxic shock syndromeの1例

著者: 岡田玲奈1 林裕嘉1 齊藤玲子1 木花いづみ1 碓井真吾2 荻原通2 山口健治3

所属機関: 1平塚市民病院皮膚科 2平塚市民病院内科 3平塚市民病院整形外科

ページ範囲:P.505 - P.509

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要約 71歳,男性.糖尿病の既往あり.1週間前に打撲した右足関節周囲の発赤・腫脹・疼痛が増強し,呼吸苦も伴い,当院救急外来を紹介され,即日入院し,足背から大腿中央にいたる壊死性筋膜炎で,ショック状態を呈し,急性呼吸窮迫症候群,全身の紅斑を合併していた.同日緊急デブリドマンを施行し,人工呼吸器管理下に,抗菌薬,γ-グロブリンの投与とともに持続血液濾過透析を開始した.2日後に状態は安定し,足関節内に感染が及んでいたため,下肢切断を余儀なくされたが,救命し得た.血液・創部よりG群溶連菌であるStreptococcus dysgalactiaeを検出した.近年,A群同様重症化するG群溶連菌による感染症の報告が増加しており,注意を要するとともに,診断名もA群溶連菌に限らず,ほかの溶連菌によるものも含めてstreptococcal toxic shock syndromeに統一することが望ましい.自験例のような症例の診断名,toxic shock-like syndromeの診断基準も含めて再考の必要がある.

参考文献

1) 三澤慶樹, 他: 感染症誌 80: 436, 2006
2) The Working Group on Severe Streptococcal Infections: JAMA 269: 390, 1993
3) 勝川千尋, 他: 感染症誌 76: 155, 2002
4) 大西山大, 他: 日褥瘡会誌 7: 848, 2005
5) Kalia A, et al: J Bacteriol 186: 110, 2004
6) 千村百合, 他: 感染症誌 82: 107, 2008
7) 圷 隆之, 他: 成田赤十字病院誌 10: 50, 2007
8) 山根一和, 他: 日救急医会誌 5: 319, 2002
9) Hashikawa S, et al: J Clin Microbiol 42: 186, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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