icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻8号

2009年07月発行

文献概要

症例報告

Duhring疱疹状皮膚炎(fibrillar IgA type)の1例

著者: 森戸啓統1 泉敦子1 井本恭子1 福本隆也1 小林信彦1 新関寛徳1 浅田秀夫1 宮川幸子1

所属機関: 1奈良県立医科大学皮膚科形成外科学教室

ページ範囲:P.545 - P.548

文献購入ページに移動
要約 35歳,男性.1か月来の軀幹,上肢の激痒を伴う多発性紅斑にて来院した.前胸部では紅色丘疹が多発融合し,紅色局面を呈した,腰背部では紅斑が左右対称性に分布し紅斑の辺縁に多数の丘疹,小水疱を認め,ヘルペス様外観を呈した.組織学的に基底膜部直下に裂隙形成がみられ,真皮乳頭部では好中球や好酸球の浸潤を認めた.蛍光抗体直接法では真皮乳頭部にIgAの細線維状沈着がみられた.HLA-DRB1080201(DR8),140101(DR14),HLA-DQB10402(DQ4),050301(DQ5)であった.以上より,fibrillar typeのDuhring疱疹状皮膚炎と診断した.プレドニゾロン5mg/日,抗アレルギー薬を内服し,ステロイド軟膏を外用したが改善しなかったので,DDS75mg/日を10日間内服したところ,皮疹は次第に改善した.

参考文献

1) 矢尾板英夫, 他: 皮病診療 19: 335, 1997
2) Chorzelski TP , et al: Int J Dermatol 14: 429, 1975
3) Kawana S, Segawa A: Arch Dermatol 129: 456, 1993
4) Hall RP 3rd: J Invest Dermatol 99: 873, 1992
5) 加藤陽子, 他: 皮膚臨床 44: 1439, 2002
6) Sardy M, et al: J Exp Med 195: 747, 2002
7) Karpati S: J Derm Sci 34: 83, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?