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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻8号

2009年07月発行

症例報告

下肢に多発した腫瘤型筋サルコイドーシスの1例

著者: 萩原宏子1 竹中祐子1 林伸和1 川島眞1

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.553 - P.556

文献概要

要約 62歳,女性.初診の3年前に検診で縦隔リンパ節腫脹を指摘され,生検にてサルコイドーシスと診断された.2年前より左大腿伸側と左下腿屈側に皮下腫瘤が出現した.初診時,左大腿伸側に3×2cm大,左下腿屈側に6×3cm大の弾性硬に触れる皮下腫瘤を認め,軽度の圧痛を伴っていた.被覆皮膚に変化は認めない.MRIで両側の外側広筋と左腓腹筋,右前脛骨筋に,辺縁は高信号域,内部は低信号域を呈する腫瘤を認め,左下腿腫瘤の生検で,病理組織学的に筋層内に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認めた.以上より,腫瘤型筋サルコイドーシスと診断した.その後の経過観察で圧痛の増強と腫瘤の新生を認め,ステロイド内服を検討中である.腫瘤型では,自然軽快することもあるが,増大して自覚症状が出現することもあり,慎重な経過観察が重要と考えられた.

参考文献

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9) Douglas AC, et al: J Neurol Neurosurg Psychiatry 36: 1034, 1973

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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