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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻8号

2009年07月発行

症例報告

Lupus erythematosus tumidusの1例

著者: 澤本幸子1 大西誉光1 神田奈緒子1 渡辺晋一1

所属機関: 1帝京大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.561 - P.564

文献概要

要約 33歳,女性.約1年前より出現した頰部の紅斑を主訴に来院した.初診時,両頰部および左前額部に浮腫性紅斑を認め,生検組織像には液状変性などの表皮の変化はなく,血管・付属器周囲に巣状にリンパ球と形質細胞が浸潤し,真皮全層の膠原線維束間は離開し,ムチンが沈着していた.臨床・組織学的所見より,lupus erythematosus tumidus(LET)と診断した.LETは慢性皮膚エリテマトーデスの一型と考えられており,組織学的所見のほか,直接蛍光抗体法が陰性であること,光線過敏を伴うこと,免疫学的異常所見がほとんどないこと,全身症状を伴わないことなどが特徴とされている.しかし,最近散見される本邦の報告例には,それらの特徴に完全には一致しないものもある.今後多くの症例を蓄積することによって,LETと他の皮膚エリテマトーデスとの関連や,本邦報告例の特徴について,さらに検討を加える必要がある.

参考文献

1) Gougerot MH, et al: Bull Soc Fr Derm Syph 37: 1291, 1930
2) Kuhn A, et al: Arch Dermatol 136: 1033, 2000
3) 松本桂子, 他: 皮病診療 26: 63, 2004
4) 穀内晶子, 他: 皮病診療 27: 897, 2005
5) 齋藤昌孝, 他: 臨皮 60: 911, 2006
6) 石橋正史, 他: 日皮会誌 117: 1161, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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