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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻8号

2009年07月発行

症例報告

アミノ酸調整粉末の単独哺育中に生じた後天性ビオチン欠乏症の1例

著者: 後藤美奈1 大畑亮介1 伊藤恵子1 福井徹2 井上義人3 久原とみ子3 藤本亘4

所属機関: 1川口市立医療センター皮膚科 2病体生理研究所 3金沢医科大学総合医学研究所人類遺伝学研究部門生化学 4川崎医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.565 - P.569

文献概要

要約 5か月,女児.母親の前期破水により28週1,222gで出生した極低出生体重児.経口ミルク摂取不良,体重増加不良であったため,ミルクアレルギーの可能性を考慮し,日齢60よりアミノ酸調整粉末の単独哺育中であった.生後4か月頃より皮疹出現.初診時,開口部のほか,体幹に著明な乾癬様皮疹を認めた.尿中ビオチンは高値を示し,尿中有機酸も増加していた.アミノ酸調整粉末の単独哺育によるビオチン欠乏症を疑い,ビオチン1mg/日を内服したところ,皮疹は劇的に改善し,尿中有機酸は正常化した.

参考文献

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9)小澤和裕: 日小児栄消肝会誌 19: 50, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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