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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻8号

2009年07月発行

症例報告

尿膜管遺残の1例

著者: 猪熊大輔1 小玉和郎1 笠井麻希1 安倍将隆1 川嶋利瑞1

所属機関: 1札幌鉄道病院皮膚科

ページ範囲:P.578 - P.580

文献概要

要約 40歳,男性.初診の2日前に出現した臍窩の疼痛を伴う腫瘤を認め,来院した.既往歴に腹部の手術歴,先天性形成異常はなかった.初診時,直径2cm大,表面はびらん状で周囲に発赤を伴う,ドーム状の弾性軟,圧痛を伴う腫瘤を認めたが,腫瘤からの排膿,排尿時痛,発熱は認めなかった.抗菌薬投与では改善をみせず,腹部CTで,腹腔と連続性のある囊胞様の腫瘍であったため,尿膜管遺残と診断した.摘出した腫瘍の病理標本は,尿膜管遺残に矛盾しない境界明瞭な結節状の線維化が認められた.尿膜管遺残は非常に稀な疾患だが,皮膚科医も念頭に置く必要があると考えられた.

参考文献

1) 今井 俊, 他: 日臨外会誌 64: 2306, 2003
2) 津村裕昭, 他: 広島医学 54: 726, 2001
3) 畑中正行, 他: 外科 63: 379, 2001
4) 山口明浩, 他: 京府医大誌 111: 751, 2002
5) 高倉有二, 他: 日臨外会誌 65: 2206, 2004
6) 小野田敏尚, 他: 日臨外会誌 62: 529, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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