臨床皮膚科63巻8号

2009年07月発行

症例報告

左足底に生じた未分化神経外胚葉性腫瘍の1例

著者： 山田元人¹

所属機関： ¹豊橋市民病院皮膚科

ページ範囲：P.585 - P.588

文献概要

要約　67歳，女性．約半年前より左足底に数mm大の皮疹が出現し，急速に増大してきた．初診時,左足底に5×6×2cm大の腫瘤を認め，鼠径リンパ節を触知した．2cm離して切除し，左鼠径および骨盤内リンパ節郭清術を行った．病理組織学的には異型のある小円形細胞が密に増殖しており，免疫組織染色でCD99，CD56，NSE，S100蛋白が陽性であり，そのほかの免疫染色と合わせ，未分化神経外胚葉性腫瘍と診断した．局所再発，肺転移などをきたし，永眠した．皮膚原発の未分化神経外胚葉性腫瘍は調べえた範囲内では，本邦では報告はなかった．

参考文献

1) 草壁秀成, 他: 最新皮膚科学大系13巻，中山書店，p34, 2002

2) Ewing J: Proc NY Pathol Soc 21: 17, 1921

3) 平松美也子, 他: 肺癌 46: 33, 2006

4) Khoury JD: Adv Anat Pathol 12: 212, 2005

5) 大喜多肇: 小児外科 39: 1344, 2007