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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻8号

2009年07月発行

文献概要

症例報告

激しい瘙痒が主症状であったT-cell prolymphocytic leukemiaの1例

著者: 峯垣裕介1 辻岡馨1 吉岡聡2 服部舞子3 上中智香子3 古川福実3

所属機関: 1日本赤十字社和歌山医療センター皮膚科 2日本赤十字社和歌山医療センター血液内科 3和歌山県立医科大学皮膚科

ページ範囲:P.593 - P.596

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要約 64歳,女性.約8年前から全身に瘙痒が出現.他院にて何回か精査されたが,原因は不明で皮膚瘙痒症として加療されていた.瘙痒が徐々に増悪し,耐え難くなってきたため,当院を受診した.顔面には軽度の浮腫,体幹,下肢にはわずかに鱗屑を伴う紅斑が認められた.末梢血白血球数は16,800/μl(リンパ球46%)で前リンパ球様の異型リンパ球が増加しており,皮膚生検では真皮浅層の血管周囲に軽度の単核球浸潤を認めた.遺伝子解析,形態学的検査,表面抗原検索などによりT-cell prolymphocytic leukemiaと診断した.瘙痒に対して,ナローバンドUVB療法や内服PUVA療法は無効だったが,プレドニゾロン30mg内服が有効であった.

参考文献

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8) Garand R, et al: Br J Haematol 103: 488, 1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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