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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻9号

2009年08月発行

症例報告

鼠咬症の1例

著者: 森志朋1 山形宗久2 赤坂俊英3

所属機関: 1八戸赤十字病院皮膚科 2八戸赤十字病院神経内科 3岩手医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.637 - P.639

文献概要

要約 64歳,女性.発熱,嘔気,多発関節痛とともに,四肢に限局する皮疹を主訴に,当科を受診した.当科受診約2週間前に,自宅で手指を鼠に咬まれていたことが判明した.臨床症状,経過より鼠咬症と診断し,ペントシリン®の投与を開始したところ,発熱,皮疹は速やかに軽快した.臨床症状,経過より,鼠咬症と診断に至った.近年,ペット目的で,齧歯類動物を多く輸入している.鼠咬傷のみならず,今後,各種動物によるさまざまな人畜共通感染症の発生や増加が予想され,発熱などの全身症状を伴う皮疹を診た際は,動物咬傷も鑑別診断に挙げ,ペットの飼育歴や動物咬傷の既往を含めた問診が重要である.

参考文献

1) 堀江徹也: 皮膚臨床 32: 559, 1990
2) 中込大樹, 他: 日皮会誌 118: 826, 2008
3) 原 弘之, 鈴木啓之: Derma 78: 37, 2003
4) 環境省: 人と動物の共通感染症に関するガイドライン, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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