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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻9号

2009年08月発行

症例報告

感染性心内膜炎に合併したアナフィラクトイド紫斑の1例

著者: 加藤愛1 森田明理1

所属機関: 1名古屋市立大学大学院医学研究科加齢・環境皮膚科学

ページ範囲:P.640 - P.644

文献概要

要約 67歳,男性.2005年頃心臓弁膜症を指摘されていた.2008年2~5月にかけて歯科治療を受けた.7月より39℃前後の発熱が出現した.心雑音あり,心エコーで大動脈弁に疣贅を認め,感染性心内膜炎と診断された.入院し,ペニシリンG大量投与を開始され,大動脈弁置換術を施行された.入院18日目に両下腿に紫斑が出現し,皮膚生検でleukocytoclastic vasculitisの所見であり,アナフィラクトイド紫斑と診断した.同時期の心エコーでは明らかな疣贅を認めなかった.感染性心内膜炎でみられる紫斑としてはJaneway斑などが知られているが,自験例は病理組織所見より,微小血栓に基づく紫斑ではなく,アナフィラクトイド紫斑を合併したものと考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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