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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻9号

2009年08月発行

文献概要

症例報告

右鼠径リンパ節に限局し外科的切除が有効であったMerkel細胞癌の1例

著者: 山田玉静1 谷岡未樹1 松村由美1 是枝哲1 宮地良樹1 伊藤僚子2 中嶋安彬2

所属機関: 1京都大学医学部附属病院皮膚科学教室 2京都大学医学部附属病院病理診断部

ページ範囲:P.663 - P.665

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要約 78歳,男性.当科初診の約1か月前に右鼠径リンパ節腫脹を認め,同部位の生検でMerkel細胞癌と診断された.初診時,右鼠径部と右下腹部の外腸骨動脈周囲と思われる部位に手拳大の皮下腫瘤を触知した.血中NSE54.84ng/mlと高値.各種検査で原発巣は特定できなかった.右鼠径,右外腸骨動脈周囲,右総腸骨リンパ周囲および右閉鎖リンパ節摘出術を施行したところ,病理像はリンパ節生検と同様の組織像であった.以上の経過から,原発巣が自然消褪しリンパ節転移として明らかになったMerkel細胞癌あるいはリンパ節原発Merkel細胞癌の可能性を推測した.本症例は,外科的切除のみで術後2年4か月経過するが再発はない.

参考文献

1) 鈴木啓之: 最新皮膚科学大系13, 中山書店, p27, 2002
2) Biering H, et al: Horm Res 64: 16, 2005
3) Kuwabara H, et al: Acta Cytol 47: 515, 2003
4) Eusebi V, et al: Am J Surg Pathol 16: 658, 1992
5) Straka JA, Straka MB: Am J Otolaryngol 18: 55, 1997
6) Fotia G, et al: Tumori 88: 424, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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