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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻9号

2009年08月発行

文献概要

臨床統計

慢性蕁麻疹治療における抗ヒスタミン薬の予防的投与および対症的投与方法の比較検討

著者: 古川福実1 川田暁2 秀道広3

所属機関: 1和歌山県立医科大学医学部皮膚科 2近畿大学医学部皮膚科 3広島大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚科学

ページ範囲:P.691 - P.699

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要約 慢性蕁麻疹患者に対してエピナスチン塩酸塩を予防的あるいは対症的に投与し,患者のかゆみなどの症状やQOLに及ぼす影響について8週間にわたり調査した.調査担当医師による総合的な臨床評価では両群間での有意差はなかったが,著明改善の割合は予防的投与群でやや高値であった.Skindex16を用いたQOL評価では,対症的投与群ではいずれの項目でも有意な改善は認められなかったのに対し,予防的投与群では8週後に症状・感情面の項目が有意に改善した.患者の日誌に基づくかゆみスコアでは,スコアが3以上になった日数において,予防的投与のほうがより有効であった.本試験により,エピナスチンの8週間の長期連続投与の有効性および安全性が確認され,症状が出ていない時期での抗ヒスタミン薬の予防的投与が,対症的投与よりも患者のかゆみやQOLの改善に効果があることが示された.

参考文献

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8) Grant JA, et al: Allergy 54: 700, 1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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