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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻9号

2009年08月発行

臨床統計

当院におけるブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群の入院症例の検討

著者: 井上桐子1 倉田麻衣子1 石田正1 平原和久1 早川和人1

所属機関: 1杏林大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.701 - P.704

文献概要

要約 近年,黄色ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)では,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が分離される例が増加している.当院で2001年から約6年間に経験したSSSSの入院28症例について,入院日数,分離菌,薬剤感受性,投与抗菌薬を集計,検討した.分離菌はMRSA陽性例が約70%と多数を占めた.MRSA陽性18例において,感受性(S)の抗菌薬(主にFOM)を投与した群と耐性(R)の抗菌薬(主にセフェム系)を投与した群とを比較したところ,入院日数に有意差は認めなかった.その理由として,全例で施行された補液が治療の重要な部分を占めていた可能性のほか,米国臨床検査標準化委員会の基準に基づきRとされた分離菌の多くが,実際にはセフェム系抗菌薬に対するMICが低く,実質的には感受性であったことなどが考えられた.

参考文献

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8) Yamaguchi T, et al: J Infect Dis 185: 1511, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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