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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻1号

2010年01月発行

文献概要

症例報告

難治性下腿潰瘍を伴ったクリオグロブリン血症の1例

著者: 中込大樹1 原田和俊1 小川陽一1 安藤典子1 川村龍吉1 柴垣直孝1 島田眞路1

所属機関: 1山梨大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.17 - P.20

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要約 57歳,男性.2001年冬より,両下腿の難治性下腿潰瘍を他院で加療されていた.冬期に増悪し,入院加療を受けていたが改善せず,確定診断もなされていなかった.2008年3月の入院時,足趾は壊疽のため7本が切断されており,両下腿には,腱が露出し,壊死物質が付着した潰瘍が多発していた.患者血清は4℃にて凝固し,クリオグロブリン定性が陽性であった.IgG-κ typeのM蛋白を認めたが,骨髄穿刺にて多発性骨髄腫は否定され,monoclonal gammopathy of undetermined significance(MGUS)に合併したクリオグロブリン血症と診断した.ステロイド投与,抗凝固療法,温浴療法,外用療法にて,7年ぶりに略治した.

参考文献

1) 平野貴士, 他: 皮膚臨床 48: 1299, 2006
2) 橋本喜男, 他: MB Derma 57: 29, 2002
3) Cohen SJ, et al: J Am Acad Dermatol 25: 21, 1991
4) Brouet JC, et al: Am J Med 57: 775, 1974
5) 小林誠一郎, 他: 臨皮 51: 20, 1997
6) Pandrangi S, et al: Nat Clin Pract Nephrol 4: 393, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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