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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻1号

2010年01月発行

文献概要

症例報告

Blepharochalasisの1例

著者: 藤尾由美1 高江雄二郎1 石井健1 海老原全1 天谷雅行1 新妻寛1 貴志和生2

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室 2慶應義塾大学医学部形成外科学教室

ページ範囲:P.33 - P.36

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要約 17歳,女性.11歳頃より自覚症状を伴わない両眼瞼の腫脹を認め,ステロイド薬を含む外用治療に難治であった.初診時,両眼瞼は淡紅色調を呈し腫脹していた.眼瞼皮膚は軟らかく弾力を欠き,表面には細かい皺と毛細血管の拡張を認めた.病理組織所見では,血管の拡張と軽度の表皮の萎縮を認め,elastica van Gieson染色にて弾性線維の著しい減少と断裂・変性を認めた.これらより,blepharochalasisと診断した.余剰皮膚の切除を行ったが,画像検査で涙腺の腫脹と甲状腺腫が指摘され,類似疾患のAscher症候群への移行も考えられる.若年者で持続する両眼瞼の腫脹をみた場合に本疾患も鑑別に挙げることが大切である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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