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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻1号

2010年01月発行

文献概要

症例報告

全身性エリテマトーデスの初期症状として発症した腫瘍性紅斑性狼瘡(lupus erythematosus tumidus)の1例

著者: 政次朝子1 伊東詩織1 太田深雪1 荒井利恵1 堀口裕治1

所属機関: 1大阪赤十字病院皮膚科

ページ範囲:P.37 - P.40

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要約 42歳,女性.日光曝露後に発熱とともに顔面に浸潤を触れる紅斑が多発した.組織学的には表皮に変化はなく,真皮全層にわたり毛包周囲と血管周囲にリンパ球が浸潤し,毛包周囲と脂肪織にムチンの沈着を認めた.表皮真皮接合部や血管周囲の免疫グロブリンの沈着は陰性であった.血液検査では白血球減少と抗核抗体陽性(2,560倍),抗Sm抗体陽性,抗RNP抗体陽性,抗ssDNA抗体陽性であった.腫瘍性紅斑性狼瘡(lupus erythematosus tumidus:LET)と診断し,プレドニゾロン20mgの内服治療を開始した.皮疹や全身症状は消失したが,プレドニゾロンを10mgまで減量したところ,発熱を伴い蝶形紅斑が出現した.本例は全身性エリテマトーデスの初期症状として発症したLETと考えた.

参考文献

1) Gougerot H, et al: Bull Soc Fr Dermatol Syph 37: 1291, 1930
2) Kuhn A, et al: Arch Dermatol 136: 1033, 2000
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7) Vieira V, et al: Int J Dermatol 45: 512, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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