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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻1号

2010年01月発行

文献概要

症例報告

Linear and whorled nevoid hypermelanosisの1例

著者: 飯沼晋1 竹田恵子1 小松成綱1 高橋一朗1 本間大1 高橋英俊1 山本明美1 飯塚一1

所属機関: 1旭川医科大学皮膚科

ページ範囲:P.51 - P.54

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要約 6歳,男児.出生時からほぼ全身に線状の色素斑を認めた.先行する炎症症状,水疱形成はない.初診時,顔面,体幹,両上腕にBlaschko線に沿った線状,渦状の淡褐色の色素斑を認めた.組織学的に表皮基底層のメラニン増加を認めたが,組織学的色素失調を認めず,Linear and whorled nevoid hypermelanosisと診断した.染色体分析では,過剰な3番染色体由来の環状染色体を伴う47タイプと正常男性核型のモザイク〔47,XY,+r(3)/46,XY〕を認めた.本症はBlaschko線に沿った線状ないし渦状の色素斑を特徴とするまれな疾患で,染色体モザイクを反映した皮膚症状と考えられている.Blaschko線に沿った色素異常は全身性の染色体モザイクを疑う皮膚症状として重要であると考えられる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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