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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻1号

2010年01月発行

症例報告

外尿道口に病変を認めたHPV16陽性Queyrat紅色肥厚症

著者: 山田大資1 吉野公二1

所属機関: 1がん・感染症センター都立駒込病院皮膚科

ページ範囲:P.63 - P.65

文献概要

要約 61歳,男性.基礎疾患に重症筋無力症があり,10年来ステロイドによる内服加療している.初診1年前から亀頭部に紅色局面が出現し,徐々に拡大した.初診時,亀頭から冠状溝,包皮にかけて軽度角化,一部びらんを呈する紅色局面を認めた.生検はBowen病の組織所見で,Queyrat紅色肥厚症と診断した.肉眼的病変境界部より5mm離し切除したが,切除標本で広範囲に腫瘍細胞の残存を認めた.肉眼的正常部位にも腫瘍細胞を認めた.Mapping biopsyで外尿道口に腫瘍細胞を認め,陰茎部分切断を施行した.また,PCR-Invader法にてHPV-DNAの検索でHPV16のみ陽性で,本症の発生にHPV感染の関連が示唆された.

参考文献

1) 江川清文: 皮膚臨床 41: 1085, 1999
2) 三石 剛: 臨皮 52(5増): 65, 1998
3) Poblet E, et al: Am J Surg Pathol 23: 1119, 1999
4) Thomas MC, Chiang CM: Mol cell 17: 251, 2005
5) 菊池 新, 他: 臨皮 47: 821, 1993

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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