文献詳細
書評
文献概要
世の中,特に医療人の間では「医療経済」を扱う議論はすべて「医療経済学」に属すると思われているのではなかろうか.本書はその違いを知るとともに,経済学の考え方を学び,専門家や官僚と医療政策論議を交わすための基礎能力を与えてくれる解説書である.
前者,つまり「医療経済論」は,医療費をめぐる論争,医療制度改革のうちファイナンスのあり方,および医療提供体制にかかわる政策論など広範な分野が当てはまる.医療経済論は,医療経済学の技法を使っても使わなくてもこの世に役立つ(役立たない)議論が可能である.ただし実際のところ,経済学の素養を持つ人たちにとっては,客観的な理論体系からは程遠く,思いつきを並べているだけとしか見えない粗雑な医療経済論が目立つことも否定できない.
前者,つまり「医療経済論」は,医療費をめぐる論争,医療制度改革のうちファイナンスのあり方,および医療提供体制にかかわる政策論など広範な分野が当てはまる.医療経済論は,医療経済学の技法を使っても使わなくてもこの世に役立つ(役立たない)議論が可能である.ただし実際のところ,経済学の素養を持つ人たちにとっては,客観的な理論体系からは程遠く,思いつきを並べているだけとしか見えない粗雑な医療経済論が目立つことも否定できない.
掲載誌情報