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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻10号

2010年09月発行

文献概要

症例報告

ステロイド減量中に症状の再燃がみられた好酸球性筋膜炎の1例

著者: 松山阿美子1 松倉節子1 大野滋2 池澤善郎3 蒲原毅1

所属機関: 1横浜市立大学附属市民総合医療センター皮膚科 2横浜市立大学附属市民総合医療センターリウマチ膠原病センター 3横浜市立大学大学院医学研究科環境免疫病態皮膚科学

ページ範囲:P.765 - P.768

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要約 57歳,女性.エアロビクスを熱心に行っていた.手指,足趾を除く両側の下腿,前腕に浮腫と皮膚硬化が出現した.末梢血好酸球が増多し,病理組織学的検査で筋膜の肥厚と真皮から筋膜にかけて好酸球浸潤がみられ,好酸球性筋膜炎と診断した.プレドニゾロン30mg/日で症状の著明な改善が得られた.しかし,開始約2か月後,同剤を25mg/日から20mg/日に減量したところ,症状が再燃した.プレドニゾロン30mg/日の増量とアザチオプリン50mg/日を内服し,2週間後にアザチオプリン100mg/日に増量したが,皮膚硬化が残存している.過去の報告でも,ステロイドの減量中に症状が再燃して治療に難渋する例が少なからずある.好酸球性筋膜炎の治療では,ステロイドの減量法と症状再燃後の対処法の確立が必要であると考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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