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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻10号

2010年09月発行

文献概要

症例報告

乳頭上に突出した線維腺腫の1例

著者: 秦由美1 伊藤恵子1

所属機関: 1川口市立医療センター皮膚科

ページ範囲:P.779 - P.782

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要約 39歳,女性.初診の半年前より左乳頭上に米粒大の腫瘤を自覚した.徐々に増大したため,切除を目的に当科を初診した.左乳頭上に約1.5cmの淡紅色,表面平滑な弾性やや軟の結節がみられ,牽引すると有茎性で乳頭中央内部から連なっていた.病理組織学的には,結節部は菲薄化した重層扁平上皮,茎部は2列円柱上皮で覆われ,真皮中層から断端にかけて線維性被膜に包まれた腫瘍塊が存在していた.構成する細胞は,乳腺排泄管を思わせる類円形に保たれた管腔構造と,その周囲の間質細胞の増生からなっていた.免疫染色にて,estorogen receptor(ER),progesteron receptor(PR)の存在が確認された.以上から,管腔は乳腺組織と判断し,管周囲型主体の線維腺腫と診断した.調べえた限り,乳房内にみられる線維腺腫が乳頭上に突出した報告は今までにない.稀と思われるが乳頭上に突出した腫瘤の鑑別として,線維腺腫も念頭に置くべきと考えた.

参考文献

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8) 管又 章, 他:日形会誌22: 460, 2002
9) 長谷川正和, 他:日形会誌28: 140, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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