icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻10号

2010年09月発行

文献概要

症例報告

両側腋窩リンパ節に転移したエクリンらせん腺癌の1例

著者: 山田元人1 鈴木教之1 稲坂優1 有本理恵1

所属機関: 1豊橋市民病院皮膚科

ページ範囲:P.795 - P.798

文献購入ページに移動
要約 74歳,男性.30年前より背部正中に皮膚腫瘍があった.2008年5月頃より増大してきたため,近医外科にて切除術を受けた.病理組織が低分化悪性腫瘍であり,断端陽性であったため,当科を受診した.初診時背部正中に切除後の皮膚潰瘍を認め,両側腋窩にリンパ節腫脹を認めた.近医での切除標本は当院の病理で低分化腺癌と診断され,他部位からの転移性腫瘍である可能性も示唆された.消化管を含め全身検索を行ったが,ほかに原発と思われる腫瘍を認めなかった.2008年11月,切除術を施行した.切除標本では残存腫瘍とそのすぐ近傍にエクリンらせん腺腫を認め,腫瘍本体は低分化のエクリンらせん腺癌であると考えた.エクリンらせん腺癌は報告例が少なく,きわめて稀な腫瘍である.

参考文献

1) 佐藤 裕, 他:臨外63: 1415, 2008
2) 竹内嘉治, 他:西日皮69: 158, 2007
3) LeBoit PE, et al: WHO Classification Skin Tumors, IARC, Oxford, p130, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?