icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻10号

2010年09月発行

文献概要

臨床統計

中等症~重症乾癬における寛解後維持療法(ネオーラル®内服vsビタミンD3軟膏)の比較検討

著者: 守屋千賀子1 萱島研一1 栗崎道紀2 深町幸一郎3 小串葉月4 牧野公司5 山田理子6 松井珠乃2 三宅大我5 牧野貴充3 若杉正司1 木下美佳4 木村達3 平井俊二7 大石空4 木藤正人6 前川嘉洋5 小野友道1 尹浩信1

所属機関: 1熊本大学大学院生命科学研究部皮膚病態治療再建学分野 2天草中央総合病院皮膚科 3飯塚病院皮膚科 4水俣市立総合医療センター皮膚科 5国立病院機構熊本医療センター皮膚科 6熊本市民病院皮膚科 7熊本労災病院皮膚科

ページ範囲:P.804 - P.808

文献購入ページに移動
要約 PASIスコア12以上(中等症以上)の尋常性乾癬患者に対して,ネオーラル®内服による寛解導入療法を施行した.PASIスコアが75%以上改善した症例を対象に,低用量ネオーラル®単独投与群(A群)と高濃度ビタミンD3外用薬単独投与群(B群)の2群に分けて,寛解後維持療法を12週間施行した.PASIスコアの変動およびそう痒の程度の推移,またネオーラル®の安全性の指標として血清クレアチニン値および血圧値を観察した.その結果,A群はPASIスコアの改善がみられ,B群はPASIスコア,そう痒の悪化傾向がみられた.A群において維持療法前後の血清クレアチニン値・血圧値に有意差はなかった.乾癬治療のアドヒアランスを維持するためには,寛解後維持療法において外用薬中心の治療だけでなく,内服薬による治療も考慮する必要がある.そう痒,皮疹の改善など高い有効性を認めるネオーラル®による寛解維持も選択肢の1つであると考えられた.

参考文献

1) 矢口 均, 他:MB Derma84: 6, 2004
2) 矢口 均, 小川秀興:臨皮54: 109, 2000
3) 古川福実, 滝川雅浩:西日皮膚62: 381, 2000
4) Ho VC, et al: J Am Acad Dermatol44: 643, 2001
5) 梅澤慶紀, 他:新薬と臨53: 1157, 2004
6) 原田昭太郎, 他:西日皮膚60: 832, 1998
7) 堀 嘉昭, 他:西日皮膚61: 224, 1999
8) de Korte J, et al: J Invest Dermatol Symp Proc9: 140, 2004
9) 中川秀己, 他:日皮会誌115: 1449, 2004
10) 中川秀己, 他:日皮会誌114: 1093, 2004
11) 段野貴一郎, 他:皮の科4: 396, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?