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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻11号

2010年10月発行

文献概要

症例報告

分娩後に増悪し入院加療を要した妊娠性疱疹の1例

著者: 藤原明子1 端本宇志1 星野稔2 盛山吉弘1

所属機関: 1土浦協同病院皮膚科 2星野皮フ科アレルギー科クリニック

ページ範囲:P.840 - P.844

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要約 29歳,女性.初産婦.妊娠34週頃より手足に掻痒を伴う小水疱が出現し,妊娠38週より腹部,大腿に不整形で径1cm程度の掻痒を伴う紅斑が数個出現し徐々に増加した.ステロイド外用,抗ヒスタミン薬内服で改善しなかった.妊娠40週0日,数個の紅斑内に緊満性水疱も出現した.妊娠40週2日に女児を正常分娩し,児に異常は認めなかった.分娩後,急激な紅斑の拡大と水疱新生を認め,プレドニゾロン30mg/日を1週間内服したが病勢は増悪し続けたため当院に紹介され受診した.病理組織学的に多数の好酸球浸潤を伴う表皮下水疱があり,蛍光抗体直接法では表皮基底膜にC3,IgGが沈着していた.抗BP180抗体陽性.妊娠性疱疹と診断し,プレドニゾロン50mg/日へ内服を増量した.増量後,紅斑・水疱の新生は止まり色素沈着となり,プレドニゾロンを漸減,終了しても再発しなかった.

参考文献

1) Shornick JK, et al:J Am Acad Dermatol 8:214, 1983
2) 田中俊宏:最新皮膚科学大系,18巻,1版,玉置邦彦,他(編):中山書店,p113, 2003
3) Holmes RC, et al:J Am Acad Dermatol 8:405, 1983
4) 高木裕子,他:皮膚病診療 28:579, 2006
5) 古屋 勉,他:日皮会誌 105:733, 1995
6) Shornick JK, et al:Clin Exp Dermatol 20:123, 1995
7) 安江厚子,他:臨皮 45:221, 1991
8) 福田 均:臨皮 54:897, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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