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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻11号

2010年10月発行

文献概要

症例報告

ステロイド,DDS(diaminodiphenyl sulfone)併用療法が奏効し皮膚陥凹を残さずに治癒した深在性エリテマトーデスの1例

著者: 林雄二郎1 道上幹子1 松村由美1 是枝哲1 宮地良樹1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科皮膚科

ページ範囲:P.845 - P.848

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要約 47歳,女性.1年6か月前から左上頰部に紅斑,腫脹が出現し,病理組織検査では真皮内のリンパ球浸潤を認め,他院にてプレドニゾロン5mg/日の投与を受けていた.1年前より紅斑および腫脹が悪化し,左眼周囲の腫脹,開眼困難も出現し,左右頰部に圧痛伴う腫脹,熱感および紅斑を認めるようになった.頰部紅斑からの皮膚生検にて小葉性脂肪織炎および皮膚付属器周囲にリンパ球,形質細胞の結節状浸潤を認めたことより,深在性エリテマトーデスと診断した.来院2日目よりプレドニゾロン25mg/日に増量したが皮疹は増悪し,2週後よりDDS(diaminodiphenyl sulfone)75mg/日の内服を追加したところ2週間で顔面の紅斑・腫脹は改善を認め,開眼困難も消失した.その後プレドニゾロンおよびDDSを漸減し,DDS開始6か月後に紅斑・腫脹は消失し陥凹を残さずに治癒した.DDSは13か月間で投与を中止したが,以後再発を認めていない.

参考文献

1) Irgang S, et al:Arch Dermatol Syph 42:97, 1940
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3) 中村和子,他:日皮会誌 115:1779, 2005
4) 安江 隆,他:皮膚臨床 34:105, 1992
5) 足立厚子,他:皮膚臨床 41:1761, 1999
6) 松田聡子,他:臨皮 59:1255, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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