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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻11号

2010年10月発行

文献概要

症例報告

不全型Behçet病の経過中にSweet病が発症した1例

著者: 日野上はるな1 今井奈穂1 横谷英吏子1 大畑千佳1

所属機関: 1市立池田病院皮膚科

ページ範囲:P.849 - P.853

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要約 37歳,女性.2005年頃より口腔内アフタ,毛囊炎,下腿の有痛性紅斑,外陰部潰瘍が出現するようになり,2007年8月当科を受診した.下腿の有痛性紅斑から皮膚生検を施行したところ,septal panniculitisの像であり,不全型Behçet病と診断した.2009年1月より発熱とともに顔面,頸部に膿疱を混じる有痛性の紅色局面が出現し,同時に口腔内アフタ,下腿の有痛性紅斑,外陰部潰瘍も増悪した.顔面の紅色局面より生検したところ,真皮に好中球の密な浸潤を認め,血液検査では好中球増加,CRP上昇を認めた.HLA B46,B54,Cw1が陽性であり,不全型Behçet病の経過中に発症したSweet病と診断した.コルヒチン,ヨードカリ,消炎鎮痛剤で軽快した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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