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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻11号

2010年10月発行

文献概要

症例報告

先天性頸部遺残軟骨の1例

著者: 大橋苑子1 爲政大幾1 松尾智央1 岡本祐之1

所属機関: 1関西医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.863 - P.866

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要約 8歳,女児.3か月前より右前頸部から右耳介にかけて発赤・腫脹・疼痛を認め,当院小児科より紹介された.初診時,右胸鎖乳突筋下部の皮膚がやや陥凹し,その皮下に下床と癒着した硬い腫瘤を触知した.エコーで皮下浅層に薄い異物様の構造物を認めた.明らかな体表奇形の合併はなかった.病理組織学的所見では,線維性結合織に取り囲まれた軟骨組織を認め,先天性頸部遺残軟骨と診断した.本疾患は第2以下の鰓弓に由来するとされ,第1鰓弓由来である耳前部の軟骨母斑(副耳)とは発生学的に異なると考えられる.また耳前部軟骨母斑に比較し全身の合併奇形が多いとする報告もあることから,両者は区別すべき疾患と考えられた.

参考文献

1) 神田憲子,他:臨皮 54:1006, 2000
2) 向井理奈,他:日形会誌 21:543, 2001
3) 新橋 武,他:形成外科 17:456, 1984
4) 木花 光,菅原 信:臨皮 34:191, 1980
5) Moore KL:The Developing Human, 3rd ed, Saunders Co, Philadelphia, p189, 1982
6) Gerald A, et al:Plast Reconstr Surg 100:32, 1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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