icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻11号

2010年10月発行

文献概要

症例報告

右大腿に生じたtumoral calcinosisの1例

著者: 竹中祐子1 林伸和1 川島眞1

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.867 - P.870

文献購入ページに移動
要約 38歳,男性.小児期より右大腿伸側に板状硬結を触知した.初診の2か月前より同部の一部が隆起し,急速に増大したため当科を受診した.初診時,右大腿伸側に径4.5cm大の波動を触れる囊腫状の腫瘤があり,その下床には17×8cm大の骨様硬の板状硬結を触知した.腫瘤部の病理組織所見では,真皮深層から脂肪織に好塩基性に染色される無構造物質を認め,von Kossa染色陽性より石灰沈着と確認した.血清Ca,P,intact PTH値は基準値内であった.以上より,特発性のtumoral calcinosisと診断した.現在のところ,板状硬結は残存するものの新たな腫瘤形成はない.

参考文献

1) 玉置邦彦編:最新皮膚科学大系,10巻,中山書店,p103, 2003
2) Inclan:J Am Med Assoc 121:490, 1943
3) Black MM, et al:Textbook of Dermatology, 6th ed, Blackwell, Oxford, p2665, 1998
4) Walsh JS & Fairley JA:Fitzpatrick's Dermatology in General Medicine, 7th ed, McGraw-Hill, New York, p1296, 2008
5) 尹 浩信,他:皮膚臨床 34:1797, 1992
6) 馬場ひろみ,他:臨皮 62:891, 2008
7) 河村 靖,他:皮膚臨床 39:2052, 1997
8) 杉内利栄子,他:臨皮 52:750, 1998
9) 太田智秋,他:臨皮 50:372, 1996
10) 速水真理子,他:臨皮 56:453, 2002
11) 木村 正,他:臨皮 52:931, 1998
12) 吉田益喜,他:臨皮 60:55, 2006
13) 竹田公信,他:臨皮 62:557, 2008
14) 延山嘉眞,他:日皮会誌 111:863, 2001
15) 上和田理恵,他:西日皮膚 70:580, 2008
16) 阿部祥子,他:西日皮膚 70:344, 2008
17) 高山修身,他:日皮会誌 109:788, 1999
18) 鈴木 拓,他:日皮会誌 110:205, 2000
19) 高 理佳,他:日皮会誌 110:327, 2000
20) 桜井直樹,他:日皮会誌 114:1690, 2004
21) 佐藤晴香,他:日皮会誌 115:613, 2005
22) 岡田知善,他:日皮会誌 113:1015, 2003
23) 文 明徳,他:西日皮膚 65:635, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?