文献詳細
症例報告
文献概要
要約 47歳,男性.軀幹,四肢に多数散在する小褐色斑を主訴に受診した.Darier徴候陽性.皮膚生検にて,真皮浅層にトルイジンブルー染色に異染性を示す肥満細胞の浸潤を認め,肥満細胞症と診断した.諸検査にて皮膚以外の病変を認めず,現時点では無症候性皮膚肥満細胞症と考えている.しかし,血中トリプターゼ値の上昇を認め,文献的に,自験例が全身性肥満細胞症に移行しうる可能性が考えられた.今後,骨髄をはじめとした諸臓器への肥満細胞の浸潤の有無について,定期的に検索する必要がある.なお,皮疹部皮膚組織よりc-kit遺伝子の突然変異は検出されなかった.
参考文献
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