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症例報告
右膝に生じたグロムス腫瘍の1例
著者: 松本悠子1 長坂武1
所属機関: 1日野市立病院皮膚科
ページ範囲:P.875 - P.878
文献購入ページに移動要約 85歳,男性.初診の約5年前より右膝に皮疹を自覚した.初診時,右膝に強い圧痛を伴う5mm大の弾性硬の紅色小結節を認めた.病理組織像では,真皮浅層から中層に類円形の核を持ち,淡明な胞体を有する円形細胞が結節状に増生していた.腫瘍細胞はα-SMA陽性,デスミン陰性であった.以上よりグロムス腫瘍と診断した.本症は手指,足趾に好発するが,膝に生じた報告は比較的稀である.疼痛を伴う腫瘍を手指や足趾以外に認めた場合でも,本腫瘍を念頭に置くべきである.
参考文献
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