icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻11号

2010年10月発行

文献概要

症例報告

皮膚癌肉腫の1例

著者: 時田智子1 本多孝之2 笹生俊一3 赤坂俊英4

所属機関: 1八戸赤十字病院皮膚科 2八戸赤十字病院形成外科 3八戸赤十字病院病理 4岩手医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.879 - P.882

文献購入ページに移動
要約 79歳,女性.初診の約2か月前から右耳後部に紅色皮疹が出現した.皮疹は徐々に拡大し,中央部がポリープ状に突出してきた.病理組織像では,腫瘍表面に一部微小浸潤を有するBowen病様の表皮内癌巣が散在し,真皮中層に長紡錘形細胞よりなる平滑筋肉腫胞巣がみられた.免疫組織化学染色で異型上皮部分はケラチン陽性を示し,真皮長紡錘形細胞はケラチン陰性,HHF35(筋細胞アクチン)弱陽性,ビメンチン陽性と,α-SMA陽性を示した.以上より,Bowen病様の扁平上皮癌と平滑筋肉腫よりなる癌肉腫と診断した.CT検査で明らかな内臓病変はなく,皮膚原発性癌肉腫で,まれな症例と考えた.

参考文献

1) Wick MR, et al:Semin Diagn Pathol 10:118, 1993
2) Brown TJ, et al:Dermatol Surg 25:498, 1999
3) 田崎 公,他:日頭顎顔会誌 20:182, 2004
4) Ram RP, et al:Ann Clin Lab Sci 35:189, 2005
5) Patel NK, et al:Am J Dermatopathol 19:363, 1997
6) Tran T, et al:J Cutan Pathol 32:2, 2005
7) 下里幸雄:取扱い規約に沿った腫瘍鑑別診断アトラス―食道.下里幸雄(編),文光堂,p110, 1994
8) 石原 明,他:診断病理 18:414, 2001
9) Iyomasa S, et al:Jpn J Clin Oncol 20:99, 1999
10) Spraggs PD, et al:J Laryngol Otol, 108, 1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?