icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻12号

2010年11月発行

症例報告

スピロノラクトンとトラセミドによるacute generalized exanthematous pustulosisの1例

著者: 齊藤睦美1 近森亜紀子1 松永晋作2 大塩ゆず3 飯田沙織3 佐野陽平3 花田圭司3 加藤則人3

所属機関: 1福知山市民病院皮膚科 2福知山市民病院循環器科 3京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学

ページ範囲:P.916 - P.920

文献概要

要約 69歳,女性.2009年5月中旬,歯根管治療を行った翌日に体幹と四肢に浮腫性紅斑が出現し,紅斑上に細かい膿疱を伴っていた.37.8℃の発熱を認め,急性汎発性膿疱性細菌疹を疑って抗生剤を投与したが皮疹は増悪した.Acute generalized exanthematous pustulosis(AGEP)を疑い,僧帽弁閉鎖不全症に対して1か月前から開始されていたスピロノラクトン,フロセミドとワルファリンカリウムを中止した.ステロイドパルス療法と免疫グロブリン静注療法を行い,皮疹は速やかに消退した.5月末にトラセミドを開始した数日後に再び全身に紅斑と膿疱が出現した.トラセミドによるAGEPを疑って,内服を中止したところ皮疹は数日で軽快した.薬剤リンパ球刺激試験でスピロノラクトンとトラセミドが陽性であり,同剤によるAGEPと診断した.

参考文献

1) 狩野葉子:最新皮膚科学大系,第5巻,中山書店,p83, 2004
2) 小鍛治知子,塩原哲夫:臨皮 56:47, 2002
3) Britschgi M, et al:J Clin Invest 107:1433, 2001
4) 周東朋子,他:臨皮 59:14, 2005
5) 河本慶子,他:日皮アレルギー会誌 10:117, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら