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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻12号

2010年11月発行

文献概要

症例報告

ヒロズキンバエによるハエ幼虫症の1例

著者: 安藤実緒1 鳥居秀嗣1 林伸和2

所属機関: 1社会保険中央総合病院皮膚科 2東京女子医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.970 - P.973

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要約 87歳,女性.認知症あり.一人暮らし.家事は長男夫婦がしていたが,3週間シャワーに入っていなかった.全身状態が悪化し救急車にて受診した.軀幹,四肢に褥瘡があり,その内部および周囲に,蛆虫を多数認めた.褥瘡は二次感染を伴っていた.頭髪,臀部に便が付着しており,異臭を伴っていた.全身の洗浄を行い,摂子にて虫体を1つずつ摘出し3日目には消失した.蛆虫はヒロズキンバエと同定された.皮膚潰瘍に対する処置,補液,抗生物質の投与などにて全身状態,皮膚潰瘍の改善を認めた.ハエ幼虫症は頻繁に遭遇する疾患ではないが,高齢化が進み介護問題が複雑化する現代において,今後,同様の症例を経験しうると考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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