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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻13号

2010年12月発行

文献概要

症例報告

免疫グロブリン大量療法が著効した尋常性天疱瘡の2例

著者: 日野上はるな1 今井奈穂1 赤松佳奈1 大畑千佳1

所属機関: 1市立池田病院皮膚科

ページ範囲:P.1012 - P.1016

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要約 症例1は72歳,女性.尋常性天疱瘡の診断でプレドニゾロン30mg/日投与を開始した.水疱の新生はなくなったが,びらんが上皮化せず,プレドニゾロン60mg/日へ増量したが無効であった.免疫グロブリン大量療法(IVIg)を計4回施行したところ,びらんはすべて上皮化し,抗デスモグレイン(Dsg)3抗体は1,020から105まで低下した.症例2は58歳,男性.尋常性天疱瘡の診断でプレドニゾロン30mg/日投与を開始したところ,水疱の新生はなくなったがびらんが上皮化しなかった.IVIgを計5回施行したところ,大部分の口腔内びらんは上皮化し,抗Dsg3抗体も2,300から118まで低下した.いずれの症例も重症の尋常性天疱瘡であったが,中等量ステロイドにIVIgを追加して症状軽快に至った.

参考文献

1) 藤本 亘:西日皮膚 71:294, 2009
2) 北島康雄:診断治療ガイドライン2008,稀少難治性疾患に関する調査研究,別添資料2,2008
3) Amagai M, et al:J Am Acad Dermatol 60:595, 2009
4) Engineer L, et al:J Am Acad Dermatol 43:1049, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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