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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻13号

2010年12月発行

文献概要

症例報告

Löfgren症候群の1例

著者: 田村梨沙1 齋藤京1 村岡直人2

所属機関: 1さいたま市立病院皮膚科 2慶應義塾大学医学部内科学教室循環器内科

ページ範囲:P.1017 - P.1020

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要約 65歳,女性.2週間前から咳嗽,両膝と足関節の疼痛があり,両膝蓋に線状の紅褐色結節と両下腿に鶏卵大までの圧痛のある淡紅色斑が出現した.後者は深部に浸潤を触れた.病理組織所見で,膝蓋の結節は真皮浅層に非乾酪性の類上皮細胞肉芽腫,下腿の紅斑は皮下脂肪織の小葉間結合組織炎であった.血清ACEと可溶性IL-2レセプターが高値,画像検査で両側肺門リンパ節腫脹を認め,サルコイドーシスと診断した.その後血清ACEがさらに上昇し,虹彩炎を伴い,ステロイド内服治療をしたところ皮疹は消退した.関節炎,結節性紅斑,両側肺門リンパ節腫脹を3主徴とする急性サルコイドーシスをLöfgren症候群といい,欧米では比較的多い病型で予後良好とされるが,本邦では過去11例と極めて稀で,胸郭外病変にステロイドを使用して良好な結果を得た例が多い.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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