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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻13号

2010年12月発行

症例報告

頭蓋骨巨大腫瘤を契機に診断された多発性骨髄腫の1例

著者: 園山悦子1 坂井浩志1 調裕次1

所属機関: 1NTT西日本大阪病院皮膚科

ページ範囲:P.1051 - P.1054

文献概要

要約 69歳,女性.初診8か月前より後頭部に皮下腫瘤を自覚した.徐々に増大し径約5×4cm大の比較的弾性軟,可動性不良な腫瘤となった.近医で頭部囊腫を疑われ切除目的で受診した.術前検査の頭部CTにて皮下腫瘤は後頭骨より生じた溶骨性病変で,精査にて多発性骨髄腫と診断された.皮下腫瘤は多発性骨髄腫に対する化学療法で速やかに縮小し,8年経過した現在も寛解を維持している.稀ではあるが,原発・転移性頭蓋骨腫瘍,髄膜腫,髄膜瘤などの腫瘍が骨破壊を伴い皮下腫瘤を呈することがある.生検・切除時にはこのような疾患を念頭に置き,画像検査を適宜行うことが必要である.

参考文献

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8) 奥野公成,他:臨皮 60:802, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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